「みんなで調べる地域の植物 

植物誌編纂を目指して」

現在、私たちの地域の自然が急激に変化しています。そのような中で、全国各地で専門家と地域市民が一体となった、郷土の自然を知り、守り、育む活動が続けられ、その成果の一つとして「植物誌」が出版されました。環境行政の基礎データとなり、絶滅危惧種の保全活動へ活用され、同時に調査に参加した市民が地域の自然の変化を実感し、植物を慈しみ守ろうとする意識が生まれていきました。近年では、APG分類体系を反映したものであることはもとより、標本情報や生態写真のデータベース化、インターネットやSNSの普及によるWeb公開等、多様な形式で編纂、出版されています。

本シンポジウムでは、地域の研究拠点や同好会で植物誌編纂に携わってきた方々による先進事例から、「植物誌」の役割と編纂意義を学ぶとともに、これからの課題についても考えていく機会としたいと思います。

日時:令和7年3月8日(土)9:30〜12:00
会場:高知大学共通教育棟二号館(高知大学朝倉キャンパス)
※会場へのアクセスは公共交通機関をご利用ください
※参加申込:参加費無料、申し込み不要。植物や市民科学、地域貢献などに興味のある方はどなたでも参加可能。

シンポジウム演者 地域植物誌のトップランナーでありつづける神奈川県植物誌、多岐にわたる膨大なデータをまとめて出版された岐阜県植物誌、45年間の成果を集大成した宮城県植物誌、新たに改訂に挑もうとしている高知県植物誌で、中心的な役割を担ってきた演者をお迎えし、市民参加型の活動手法や植物誌の成果、またこれからの地域植物誌の課題など具体的な事例を紹介いただきます。

【プログラム】

時間帯内容
09:30〜09:35 開会の挨拶・公開シンポジウム趣旨説明
10:05〜10:35田中徳久氏(神奈川県立生命の星・地球博物館)「県民の県民による県民のための『神奈川県植物誌』」
10:35〜11:05須山知香氏(岐阜大学教育学部)「思いやりと譲り合い、そして信念の賜物『岐阜県植物誌』」
10:35〜11:05上野雄規氏(宮城植物の会)「宮城県植物誌(2017)をスタートラインにして」
11:05〜11:35鴻上泰氏(土佐植物研究会)「高知県植物誌の改訂を目指して」
11:35〜11:55総合討論
11:55〜閉会の挨拶